子猫の離乳から生後1年ぐらいまでの栄養
子猫の時から栄養に気をつけてあげてください。
子猫は食べ過ぎるとすぐに下痢します。
便の様子を見ながら手作りご飯をすすめてください。
子猫ご飯のレシピもあります。
間違えないようにと思いつつも、間違いがあるかも、オイオイ直して行きます・・・m(__)m
(以下の参考文献 「小動物の臨床栄養学」 学窓社
なんか、よく分からないって方、この本買って読んでね)
妊娠と授乳期 | 離乳初期 | 離乳後期 | まとめと子猫ご飯レシピ |
〔妊娠と授乳期〕お母さん猫
母乳生産は出産と同時に始まる。
3~4週間後に授乳最盛期となる。
新生子猫の体重は、1日に10g~15g増加する。
7g以下では不十分である。
・水
水は正常な繁殖に必要であり、母乳生産にも重要である。
繁殖期の母猫には十分な水を用意する。
・エネルギー
妊娠中のエネルギーは体重1kgに対して90~110kcal
(維持期の20~50%増)とされています。
母猫の個体差新生子猫の大きさにより、推奨量を上回る
場合があるので、自由採食法が望ましいとされる。
授乳中のエネルギー
出産時、体重1kgに対して90kcal
7週目、体重1kgに対して270kcal
授乳が増えると必要エネルギーも増えます。
新生子猫の兄弟が多い場合、授乳期の母猫のエネルギー
要求量が多くなり、正確な数値は決定しがたいので、
自由採食が望ましいとされる。
子猫の離乳食が始まれば、授乳が減るので、その分
母猫の必要エネルギーは減ってきます。
授乳期母猫の体重は、減少し続け離乳期の頃に、交配
前の体重に戻る。
授乳によって、体重が減りすぎる場合は、エネルギーを
増やして、母猫の理想体重まで回復させる。
・タンパク質
食餌中のタンパク質は、一般的に消化率が高く
猫に必要なアミノ酸を多く含む動物性タンパク質
が必要とされる。
妊娠期の母猫 推奨タンパク質濃度35%DM
授乳期に母猫 推奨素タンパク質量は最小35%DM
妊娠中母猫のタンパク質欠乏は、死産、未熟子、
子猫の免疫機能障害の原因となる。
授乳中母猫のタンパク質欠乏は、貧乳、
子猫の帰巣本能の遅延、移動発達障害、情動反応の低下
の原因になる。
・タウリン
母猫がタウリン欠乏になると、胎児の死亡、流産、
胎児形成不全、成長発達の遅延。
タウリン必要量は成長期と同じでよいとされている。
乾燥重量1kgに対してドライフードで0.1%
ウェットフードで0.2%とされている。
タウリンは栄養計算ソフトでは、項目がないのですが、
肉類からタンパク質を摂取していると、要求量は足りて
いるそうです。AAFCO基準値以下に、ならないように
気をつけて下さい。
・脂肪
妊娠中、授乳中の母猫にとって、脂肪は効率よく
エネルギーに変わり、高カロリー源となる。
脂肪必要量
妊娠期、食餌中最小量18%DM
授乳期 食餌中最小量35%DM
猫に必要とされるリノール酸、アラキドン酸の必要量
リノール酸 9%DM
アラキドン酸 0.02%DM
DHAは子猫の網膜機能正常発達に必要とされています。
授乳中の母猫の食餌には、魚・家禽類の肉が必要です。
・カルシウムとリン
カルシウム、リンのバランスは
1:1~1.5:1
妊娠期における高カルシウム摂取によって、産後子癇の
危険因子と、なりうるのではと言われている。
産後子癇の原因は、はっきりしていません。
・炭水化物
炭水化物の要求量は猫では証明されていませんが、
授乳中の母猫の体重減少を防止すると考えられ、
母猫の血中グルコース濃度を保つ為タンパク質を必要に
応じて貯蔵し、乳生産期の乳糖に基質を供給する。
炭水化物の必要量 最低 10%DM
・銅
銅の要求量は乾燥重量1kgに対して5mgとされて
いますが、銅の中でも酸化銅は利用価が低い為、
酸化銅含有の食餌では母猫の銅欠乏症が認められた
そうです。
銅を供給する時は、酸化銅ではなく硫酸銅又は
キレート化された銅が、食餌には適していると
されています。
キレート化とは、主にミネラルを有機物などで包んで
しまうことを言います。ミネラルは鉱物なので硬く、
しかも水に溶けにくいので、吸収しにくいので、
有機物によってミネラルを綿のように柔らかく包むと、
吸収しやすくなります。
キレートとはギリシャ語で「カニのはさみ」という意味です
が、ここでは“ミネラルを他の物質で挟み込む”という
意味になります。
・ビタミンA
過剰症は、口蓋裂の子猫が生まれる可能性が
あるとされています。
また、ミネラルの欠乏も疑われています。
ただし、口蓋裂の原因は特定されていません。
・消化率
消化率85%以上が望ましいとされています。
生肉は、消化率96%です。
(生肉って消化がいいんですね)
その他の栄養成分は、AAFCO基準値の成長期と妊娠、授乳期の
最小栄養素許容量を参考にして下さい。
◎母猫の母乳の栄養◎
野良猫ちゃんを育てるには、猫用のミルクを買うと思います。
ミルクに赤ちゃん猫に必要な栄養が入っているか、
表示を良く見て下さい。
猫母乳栄養 | 初乳 | 普通j時 猫母乳 |
水分(g/100g) | 79 | |
乾燥重量(g/100g) | 21 | |
素タンパク質(g/100g) | 8.3 | 7.5 |
アルギニン | 357 | 347 |
タウリン | 26 | 27 |
メチオニン | 202 | 188 |
素脂肪 (g/100g) | 9.3 | 8.5 |
乳糖 (g/100g) | 3.0 | 4.0 |
カルシウム (mg/100g) | 46 | 180 |
リン (mg/100g) | 114 | 162 |
カリウム (mg/100g) | 103 | |
マグネシウム (mg/100g) | 11 | 9 |
銅 (mg/100g) | 0.04 | 0.11 |
鉄 (mg/100g) | 0.19 | 0.35 |
〔離乳初期〕赤ちゃん猫
母猫に十分な栄養があれば、授乳期は無事に済みます。
生後3~4週で離乳が始まります。子猫はお乳以外の
食餌を食べはじめます。
生後6~10週で離乳は完了します。
母猫に育てられていると、こんなに早く離乳が完了するのか?
少し疑問に思います。野良猫ちゃんなら、このペースで離乳が
完了するのでしょうか。
3~4週 固形物を食べ始めるが、カロリー摂取の
95%は母乳から摂取する。
5~6週 固形物から30%のカロリー摂取し、残りは
母乳から摂取する。
固形物の摂取は、子猫が完全に母乳に頼らなくなるまで
徐々に増えていく。
短毛種は6週例で離乳。
純血種では、8~9週例で離乳。
離乳の長期化は、子猫の成長、免疫系の成熟に時間を
かけることによって、離乳後期の死亡率を下げる。
離乳初期では、ウェットフード又はドライフードを代用乳
でふやかすが、ドロドロにしてはいけないそうです。
6~8週目で、ふやかさない固形物を食べ始める。
高消化性のフードが必要、
乾物で80%の消化率、
タンパク消化率85%必要
離乳食から手作り食すると、大人になっても手作りを
食べてくれると思います。
生肉の消化率が96%あるので、離乳食が始まった子猫も
生肉を使った食事でも十分消化すると思います。
生肉をフードプロセッサーにかけたり、叩いたりして、
子猫が食べやすいようにした方が良いと思います・・
食べ物で子猫が細菌感染などしないように、良い鶏肉、
清潔に調理する等、お気をつけ下さい。
離乳初期の栄養素
・タンパク質
■AAFCO基準値 30%DM
■母猫の母乳タンパク質含有率 33~44%DM
・タウリン
12~18週齢子猫で、1日150~197mg/kg(体重)
のタウリンが必要。
■AAFCO基準値 0.1%・0.2%(缶詰)
■母猫の母乳タウリン含有率 300ml/L
タウリン含有率の低い食餌の母猫は、母乳のタウリン
含有率も低い。
・脂肪
■AAFCO基準値 素脂肪 9%DM
リノール酸 0.5% DM
アラキドン酸 0.02 % DM
■母猫の母乳脂肪含有率平均 20%DM・85g/L
母乳中のリノール酸 5.8% DM
母乳中のアラキドン酸 0.5% DM
DHAも必要、母猫の食餌中のDHA含有量によって
母乳中の含有量も変わると言われています。
推奨量は分かりません。
お母さん猫に、アジやイワシ、マグロなど
加熱して、食べさせてあげてね。その時は
ビタミンEもお忘れなく。
・炭水化物
授乳中や成長期の炭水化物は設定されていませんが、
母乳中には乳糖濃度14~25%DMあります。
牛乳は、乳糖分解酵素活性は、離乳後すぐに成猫
レベルまで下がりますので、離乳後の牛乳は
止めてください。
・カルシウムとリン
初乳ではカルシウム濃度が低いが、徐々に増加する。
授乳中期から後期の母乳カルシウムは約1%になる。
リンにはこのような、変化はない。
■AAFCO基準値 カルシウム 1% DM
リン 0.8% DM
■母乳の授乳中期から後期のカルシウムとリンの割合は
1.2:1 となる。
AAFCO基準値のカルシウムとリン最小値は、多いのではという (カルシウムDM1%、リンDM0.8% AAFCO基準値) 指摘もあります。成猫、子猫でカルシウム・リンのバランス試験 をしたそれぞれの研究者はカルシウム0.5%,0.36%、リン0.65%,0.28% が猫の要求量ではと言っています。子猫のカルシウム要求量も、 NRC飼養標準カルシウムDM0.8%の方を推薦しています。 水分の多いフードを食べている子猫には、容認出来る値だそうです。 どの説をとるか・・・迷いますが、あるときはAAFCO基準値、あるときは |
その他の栄養成分は、AAFCO基準値の成長期と妊娠、授乳期の
最小栄養素許容量を参考にして下さい。
離乳初期では、かなり母乳を飲んでいます。固形物として
5%の離乳食ってどれぐらいの量になるのでしょうか・・
月例と体重別のカロリー表でみると、生後1ヶ月で96㌍
必要で、それの5%というと、4.75㌍を固形物でとる?
まとめて作っても、どんどん大きくなるので、5日分ぐらい
の作り置きぐらいしか出来ないと思います。
母猫って、自分の食べ物を噛んで、子猫に食べさせる・・・
こう言う事って母猫はするんでしょうか?
〔離乳後期と成長期〕赤ちゃん猫
子猫は20週齢ごろまで、1週間で約100g体重が増加します。
30週齢で体長が成猫の80%になると、成長速度がゆるやかになる。
40週齢(10ヶ月)で成猫の体重になる。
12ヶ月以上になると、体重はさらに増えて、筋肉が発達し、
成熟期を迎える。
◎離乳後期(8週齢から10~12週齢)の主なる栄養◎
・・・フードレベル(乾燥重量)
エネルギー密度(kcal ME/g) 4.0~5.0
体重1gに対して、4~5㌍が必要
タンパク質 35~50%
(タンパク質の注意:高蛋白フードDM56%では、
正常な尿素回路のために
アルギニンが要求量の1.5倍必要)
脂肪 18~35%
炭水化物 10%
素繊維 <5%
カルシウム/リン比 1.1:1~1.5:1
カルシウム 0.8~1.4%
リン 0.6~1.4%
ナトリウム 0.3~0.6%
クロール >0.45%
カリウム 0.6~1.1%
マグネシウム 0.08~0.15%
尿pH 6.2~6.5
AAFCO基準値より多いから、エッと思いますが、AAFCO基準値は
最小値ですから、フードレベルになると、これぐらいの数値が
必要なのでしょうね。
離乳期のまとめ
この表の下に子猫ご飯レシピがあります。
空欄の所は、栄養がいらないのではなく、単に資料がないだけです。
どの栄養素も、なくてはならないものです。
月齢 | 体重1kgで 1日の カロリー |
タンパク質 脂肪 |
カルシウム と リン |
タウリン (その他) |
予備知識 |
1 | 出生時 2501ヶ月 240 |
■AAFCO基準値 タンパク質 30%DM ■母猫の母乳 ************* ■AAFCO基準値 ■母猫の母乳 |
■AAFCO基準値 カルシウム 1% DM リン 0.8% DM |
3~4週 固形物を食べ 始めるが、 カロリー摂取の 95%は 母乳から 摂取する。 |
|
2 | 210 | ■AAFCO基準値 カルシウム 1% DM リン 0.8% DM ■母乳の授乳中期 から後期のカルシウム とリンの割合は 1.2:1となる。 |
5~6週 固形物から 30%の カロリーを 摂取し、 残りは 母乳から 摂取する。 固形物の 摂取は、 子猫が完全に 母乳に頼らなく なるまで徐々に 増えていく。 |
||
3 | 200 | ■AAFCO基準値 タンパク質 30% DM タンパク質 ■フードの ************* |
離乳後期の 主なる栄養 カルシウム/リン比 カルシウム |
離乳後期の 主なる栄養缶詰で 2,500ppm ************* ナトリウム カリウム マグネシウム 尿pH |
短毛種は 6週例で離乳。 純血種では、 8~9週例で離乳。 離乳の長期化は、 |
4 | 175 | 12~18週 齢子猫で、 1日 150~197mg/kg (体重) のタウリンが必要。 ■AAFCO基準値 0.1%・0.2% (缶詰) ■母猫の母乳 タウリン含有率 300ml/L |
6~8週目で、 ふやかさない 固形物を食べ 始める。 高消化性のフード が必要、 乾物で80%の 消化率、 タンパク消化率 |
||
5 | 145 | 子猫は 20週齢頃まで 1週間で 約100g 体重が 増加します |
|||
6 | 135 | ||||
7 | 120 | 30週齢で 体長が成猫の 80%になると、 成長速度が ゆるやかに なる。 |
|||
8 | 110 | ||||
9 | 100 | ||||
10 | 95 | 40週齢(10ヶ月) で成猫の 体重になる。 |
|||
11 | 90 | ||||
12 | 85 | 12ヶ月以上に なると、 体重は さらに増えて、 筋肉が発達し、 成熟期を迎える。 |
赤ちゃん猫のご飯 こんな感じかな~ 作ってはみたものの、自信は皆無・・m(__)m
不都合な所が見つかれば、やり直し・・・しますです。
生後2ヶ月体重1kgで2.5日分
生後4ヶ月体重1.5kgで2日分
鶏胸肉 皮付き 60g
鶏モモ肉 皮付き 40g
鶏モモ肉 皮なし 70g
鶏心臓 20g
鶏肝臓 5g
さけ(しろサケ)生 5g
まあじ 70g
薄力粉 8g
オートミール20g
じゃが芋水煮 20g
人参皮付きゆで 10g
ブロッコリーゆで 10g
白菜ゆで 10g
***********
タンパク質 45.87%
脂肪 19.73%
炭水化物 22.50%
メチオニン 1.6% +
アルギニン 2.9% +
リノール酸 2.7% +
アラキドン酸 0.15% +
ビタミンD 2.6μg +
ビタミンA 893μg +
銅 0.28mg –
亜鉛 3.9mg –
鉄 3.7mg –
ナトリウム 0.17%
カリウム 0.89%
マグネシウム 0.079%
リン 0.52%
カルシウム0.04%
カルシウム不足分641mg(カルシウム1.2 リン1 で計算)
ミネラル、ビタミンと不足があります。子猫サプリメントで補って下さいませ。
内臓肉、魚、穀類、野菜は加熱してね
柔らかく煮て、さめたら肉をいれて、フードプロセッサーでドロドロに、
2ヶ月ぐらいの赤ちゃんは、ドロドロで、4ヶ月ぐらいで、少し肉を
感じる程度のつぶし方で、どうでしょうか。
ドロドロにする水分は、猫赤ちゃんミルクを使ってもと思います。
サプリメントをくわえる時も、栄養計算表に100gで計算して
数値を入れると、サプリメントの入れすぎを、ふせげると思います。
母猫がいない子猫を育てるのは大変です。離乳食作りに、これでも使って
頑張って見てください。